施術している人は一生懸命だし、中々、こういう事を聞きづらい。聞く機会は少ない。そう考える人は多いと思います。ここでは現役理学療法士の私が、理学療法士が患者様と向き合うときに、何を考えて、どう進めて、どう施術や治療方針行っているかを書いてみたいと思います。
目次
・リハビリの目的
・治療方針の組み立て方
・実際の治療方法
・まとめ
基本理学療法士は、リハビリテーションと名を打っている医療現場に所属していることが多いので、リハビリ=療法士と考えともいいかと思います。
ただし理学療法士は法律で決められたところでは名称独占のみなので、条件によっては一部の資格者が講習会を受けて認定を受ければ”みなし”として従事することはあります。
リハビリの目的
リハビリテーションとは”re(再び)habilis(適した)を合わせた言葉で、能力低下を起こした人が再び可能な限り適した能力を獲得できるようにする”事をいいます。
また理学療法士及び作業療法士法では、”理学療法とは身体の障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、電気刺激、マッサージ、温熱、その他の物理的手段を加える事をいう”とあります。
なので整形外科、接骨院等に通う人はケガや病気により、機能障害や痛みを伴った人が来られると思うので、可能な限りの痛みの改善や機能回復を図り、生活の質を改善をしていくことになります。
・治療方針の組み立て方
前述にも書いた通り、目的として可能な限り機能を回復していくことを考えていきます。ここで忘れてはいけないのが、人間の体の変化を考慮しないといけないという事です。骨の変形や軟骨のすり減りなど、体を構成する組織を治すことは理学療法ではできません。
体の変えられない変化を除く、変えられる機能を徒手での施術、運動や体操、物理療法を使って可能な限り回復させ、生活の質を改善させていく事が基本的な治療方針になります。
つまり筋肉や皮下組織などの変化が可能な軟部組織を施術し、問題となっている姿勢や動きを改善させる事が最も得意な領域で、理学療法の根本的な治療方針となります。
・実際の治療方法
大まかな流れは以下の通りになります。
①情報収集
↓
②機能評価
↓
③問題点抽出
↓
④治療・施術
↓
⑤再評価
この流れは理学療法において、計画plan,実行do,評価check,改善actionの4項目で考えるPDCAサイクルを行いながら進めていく、最もポピュラーな考え方です。最初①②③でplanし、④でdo、⑤でcheck、再度③に戻りactionとなり以降循環していきます。
詳しく説明していきます。
①情報収集
情報収集として問診、レントゲン、医師からの指示(手術録)を集めます。中でも問診は特に骨折やケガの理由がない、慢性的な疾患の方に、痛める原因となったエピソードを拾う大事な作業になります。ここを疎そかにすると先々うまくいきません。
②機能評価
実際の機能評価を行います。チェックするポイントは大まかなところだと関節の可動性、筋力、止まっている姿勢、動きの姿勢を確認していきます。
③問題点抽出
問題になっているかを推測します。問題点は人によって様々で、複数絡み合っていることが多いです。どこから改善させていくかも含めリストアップしていきます。
④治療、施術
実際に治療、施術を行っていきます。主に筋肉や関節を理学療法士が動かし、柔軟性の改善を行ったり、必要に合わせた運動や体操を行ってもらい、筋力や姿勢の改善を行ったりしていきます。その際、実際に体に起こった変化を確認しながら実施していきます。
⑤再評価
その場で変化するものや、時間差で変化するものもあるため再診されたときに、どう変化があったかを問診と機能評価で再評価していきます。機能改善が得られれば進めていき、変化が得にくい場合は方針変更をして進めていくことになります。
あとは③~⑤の繰り返しになります。
・まとめ…どうやって施術や治療方法を考えているか。
いかがだったでしょうか?
理学療法士は短い時間でしかもその場その場で、変化を感じ取りながら、問題点の海を治療方針という舵取りをしながら行っているのです。しかも生活の質を向上させるために再発しにくい予防の観点も含めて関わっています。
辛い症状を改善させるために受ける施術。同じ施術を受けるなら、予防も考えて関わってもらった方がその後の人生として価値が高いですよね。
その道のプロは色んな業界でいますが、予防まで考えて治療・施術ができる方に巡り合いたいですね。
参考になれば嬉しいです。ありがとうございました!