今日は目線を下に持っていき、足元のお話をしようと思います。
施術中によく聞くお話です。こんなサインからも予測できることがあって、実はこの痛みもここからきている?なんて事があります。
足元の詳しい解説をされている所は色々ありますが、
ここでは毎日お付き合いしている足がなぜ大事になるのかという考え方と、ケア方法をざっくりお伝えします。
・唯一地面についているのは足の底
・足元からわかるシグナル
・毎日使うものだから気を付けたい靴のポイント
・足裏のケアの方法
・唯一地面についているのは足の底
人間が目的地まで移動するためには、どうしたらいいか?
最も簡単な動きは、歩くことです。寝る時や座っている時間帯を除くと、人類が二足歩行の動物に進化してから、二本の足で歩いて行動しています。
現代の日本人の1日あたりの平均歩数は成人男性が6793歩、成人女性が5832歩だそうです。(厚生労働省調べ)
1年が365日ですから
男性は6793×365日=247万9445歩、女性は5832×365=212万8680歩、
10年で男性2479万4450歩、女性2128万6800歩、50年では男性12億3972万2500歩、女性10億6434万歩となります。
生活スタイルにによって多少なりとも前後しますが、こんなにもたくさん歩いて移動していることになります。
また、人間の基本的な動きは発達段階で自然と獲得されています。つまり誰にも習う事なくできるようになる。
ここで気付いてほしいのですが、
もしこの歩数1回1回が、体を痛める歩き方だったらどうでしょうか?
やばそうですよねw
足は地面に着いてから離れるまでに、足の力と同じ分だけ床からの衝撃を受けています。これが使い方によって変わっていくわけです。
連続1回~数千回程度なら、体も耐えられるでしょう。それが数万~数十万回となったら機能に障害が出そうなことは想像できますよね。
これが足元に注目してもらいたかった理由です。
・足元からわかるシグナル
では実際に自分でできる変形のチェックを上げてみます。
・土踏まず(内側縦アーチ)が少なくなっている
→偏平足
・指の付け根(横アーチ)が広がっている
→開帳足
・親指が第一関節から人差し指側に曲がっている
→外反母趾
・小指が薬指側に曲がっている
→内反小趾
・指の先が曲がり爪が下に潜り込んでいる
→クロウトゥ、ハンマートゥ
続けて足裏の痛みの場所をチェックします。
概ね四種類に分かれています。
①土踏まずが痛い・・・偏平足
②踵から土踏まず痛み・・・足底腱膜炎
③指の付け根が痛い・・・中足骨部痛
④指との間のピリピリした痛み・・・モートン病
ここに上げたものが全てではありませんが、共通することは老化による組織の柔軟性の低下や運動不足による筋力低下に加えて、慢性的な刺激により変形を起こし疼痛に繋がっているという事です。
そして、足元の変化が起こることで、その上に乗っている膝や股関節、腰などにも影響が出てしまう可能性があるということ。
例えば偏平足になって、内側縦アーチが崩れ体重が内側にかかるようになってしまうと、歩きにくくなってしまうため、つま先を外に開きバランスを保とうとします。
その上の膝が内側に捻じれるようになり、変形性膝関節症(O脚)を発症しやすくなります。
O脚のままだと膝が伸びにくくなり、膝を曲げて歩きやすくなります。今度は前後のバランスを取るため、股関節を曲げて骨盤は後ろに倒れ、それでも体を起こすため腰は反る。
変形性股関節症、変形性腰椎症になる可能性もあるわけです。
パターンはいくつかあり、全てがこうなるわけではありません。ただ体は繋がっている事を考えると足元の変化だけで、様々な体の変化が起きてしまうという事なんです。
冒頭でコメントしていたふくらはぎのむくみはもしかしたら、足元の窮屈な靴から指が縮こまり、ふくらはぎの筋肉が余計に固まって、必要以上にむくんでいるのかもしれません。
固まって伸び縮みしにくくなった筋肉は、動きに制限を与え関節の変形を助長します。
足の小事が体の大事に繋がります。
ちょっと目を向けておく。これだけでも随分違うものです。
・毎日使うものだから気を付けたい靴のポイント
では具体的にどうしたらよいかという話。
結論はズバリ、形の合った靴を履きましょう。という事。
こんな方いませんか?
・踵が高い、足の指先が細い靴を使用している(先の尖ったハイヒールやパンプス)
・踵のないつっかけ(サンダル)
・足のサイズに合っていない靴(靴ひもを緩めたスニーカー、サイズ大きめの靴)
・足首が固定された靴(ブーツ、ハイカットスニーカー)
・底の硬い靴(革靴、ラバーソール)
仕事柄や冠婚葬祭、プライベートでの使い分けがあるためこれらを否定するつもりはありません。
ですがこれらを長期間使い続けると、足部の変形を助長し、不具合を起こしやすくなると思います。
理想的なのは、
①底は固すぎずクッション性がある。②ヒールカップ(踵を受ける場所)がしっかりしている。③つま先が締め付けないもの。④紐やベルトで靴の隙間をある程度調整できる。
このあたりでしょうか。
※④は左右で足の形が違う事もよくあるので、足のフィット感を微調整できる意味も含まれています。
この4つを意識して歩くときは紐やベルトで、足が中で動かないよう調整してから行う。これだけでも足部への負担が減り、将来の体の不調への予防になるかもしれません。
今痛い人も遅くありません。4つのポイント以外に中敷き(インソール)の調整を加えるだけでも変化はあると思います。整形外科での装具作成やオーダーでの靴を作成できるところもあります。一度相談してみると良いかと思います!
・足裏のケアの方法
最後に、足裏のケアの方法をお伝えして終わりたいと思います。
使った足を放置せずケアして休むことで、変形や疼痛予防できる可能性があがります。
・足指のトレーニング
裸足で床につき、指の腹で地面を触るように力を入れる。指先が地面に食い込まないように注意。
・内転筋、内ふくらはぎのマッサージ
片足開脚を行い、内転筋、内ふくらはぎのマッサージを行います。
押すと痛みが出ると思うので、優しく揉み解す感覚で行って下さい。
健康な毎日は健康な足元作りから!では今日はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました!